絶望書店日記

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絶望書店主人推薦本
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』

冤罪、殺人、戦争、テロ、大恐慌。
すべての悲劇の原因は、人間の正しい心だった!
我が身を捨て、無実の少年を死刑から救おうとした刑事。
彼の遺した一冊の書から、人間の本質へ迫る迷宮に迷い込む!
執筆八年!『戦前の少年犯罪』著者が挑む、21世紀の道徳感情論!
戦時に起こった史上最悪の少年犯罪<浜松九人連続殺人事件>。
解決した名刑事が戦後に犯す<二俣事件>など冤罪の数々。
事件に挑戦する日本初のプロファイラー。
内務省と司法省の暗躍がいま初めて暴かれる!
世界のすべてと人の心、さらには昭和史の裏面をも抉るミステリ・ノンフィクション!

※宮崎哲弥氏が本書について熱く語っています。こちらでお聴きください。



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2001/6/10  奇禍に遭う人々

 少年犯罪データベース作成のために昭和39年の事件記事すべてに眼を通したわけですが、少年犯罪以外にも妙な事件の多い年でありました。
 少年犯罪にもいくつかありますけど、工場が爆発したりとこの年は爆発事件がじつに多い。中でも印象に残るのが渋谷にあった東海大学でのロケット爆発事故でございます。

 ロケット工学研究クラブが製作していた1.3メートルのロケットが爆発して学生さんがひとり爆死してしまったのです。日本のロケットがほとんどゼロに等しい時代に、学生だけのプロジェクトで完成直前に挫折してしまったわけです。
 こんな感想もどうかとは想いますが、なんかいい話だなあと感じてしまいます。ロケットというのは挫折に美を形成する不思議な代物ではあります。到達の不可能性にこそ絶対的な美しさが宿る。あたしは成功したロケットには見事になんの興味も湧いてきません。
 ちょっと調べてみますと、なんと!このロケットは宙を飛ぶのではなく、海底に潜って泥や砂を採集するという世界初の画期的なものだったのです!!うーん、なんか凄い!!サンダーバードみたい!!
 いまでも東海大ではロケットに熱心なようですが、この海底ロケット<海オケラ号>について掘り起こしてレポートを挙げてもらえんものでしょうか。
 いったいどんな推進力で海中を進むのか、どうやって操縦するのか、ロッカーにしまおうとして本体にあるふたつのスイッチに誤って触れてしまったようなのですが、なんで本体にスイッチがあるのか、なんで燃料が入っているか、どうもよく判らんことではあります。

 4歳の時に行方不明になった娘が5年後にテレビの『こまどり姉妹の日曜日』に映っているのを父親が見つけて、めでたく再開を果たしたなんてこともありました。初めきょとんとしていた娘は、父の呼ぶ妹の名前を覚えていたためすべてを想い出したそうです。
 おそらくは映りの悪い白黒テレビにちょこっと出ただけの5年も逢ってない娘を見つける父親というのは大したもんです。モニターの解像度競争なんてものの意味も考えさせられます。妹の名前に反応する娘にしても、ひとの能力の不思議さであります。よかったネ。
 はたまた、登校途中にクマに食べられてしまった北海道の小学生の女の子もおりました。かわいそうだネ。

 女将がこつこつ貯金してやっと開業したばかりの池袋の旅館で、同じ日に違う部屋で殺人と心中が同時に起こったなんてこともございました。大晦日だったりして、まことに災難であります。
 いずれも30代の人妻でして、一方は売春の客に殺され、一方は若いツバメとの心中でございます。昔の人妻はみだれておりますな。いまの世代は道徳的に遥かにマシになっておりますよ。

 あたしくがもっとも心搏たれたのは、26歳の元自衛隊員がもてないことを悲観して手製の爆弾で自殺を図った事件です。この男はわざわざ荒川の営業中のバーに行って爆発させているのですな。
 バーは壁も崩れて全壊したのですが、幸い死んだのはこの男ひとりでした。
 留めようとした客が手首から先を吹き飛ばされたりして、もう災難としか云いようがありません。
 このバーの名前が<青い鳥>だったりして、なにやら深いような浅いような、そんな話でございました。

 君よ!少年犯罪を識っているのか!?とデータベースを少し書き足しましたので、もう一度読み返すように!!
 サルベージされた「少年犯罪を考える」のミラーサイト!!とくに時代順のデータは順番に読むように!!昔は酷い事件がじつに多い!!
 成年の犯罪はもっと酷いのが多かったのですが。いまはじつに平和で、まだまだ昔にはまったく追いついておりませんな。年寄りはほんとに忘れているんでしょうな。「少年犯罪を考える」にある1964/12/27の新聞記事は必読!!
 またいつ消滅するやも知れぬので、いまのうちにデータを保存し、受け継いでいくように!!





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