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絶望書店主人推薦本
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』

冤罪、殺人、戦争、テロ、大恐慌。
すべての悲劇の原因は、人間の正しい心だった!
我が身を捨て、無実の少年を死刑から救おうとした刑事。
彼の遺した一冊の書から、人間の本質へ迫る迷宮に迷い込む!
執筆八年!『戦前の少年犯罪』著者が挑む、21世紀の道徳感情論!
戦時に起こった史上最悪の少年犯罪<浜松九人連続殺人事件>。
解決した名刑事が戦後に犯す<二俣事件>など冤罪の数々。
事件に挑戦する日本初のプロファイラー。
内務省と司法省の暗躍がいま初めて暴かれる!
世界のすべてと人の心、さらには昭和史の裏面をも抉るミステリ・ノンフィクション!

※宮崎哲弥氏が本書について熱く語っています。こちらでお聴きください。



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2002/11/9  しっぽを廻せ!

 ジュニア・チャンピオン・コースの『NHK番組 レンズはさぐる』が売れたので発送前にちょっと読んでおりましたら、なかなかおもしろい話が載っておりました。
 ネズミは港に碇泊している船に渡された綱をつたって行ったり来たりするわけですが、脚を滑らして落っこちることが結構あるんだそうです。しかし、落ちたときはシッポをヘリコプターのプロペラのようにぐるぐる廻して躯のバランスを取り(多少の横移動もして?)、下に渡された綱にうまい具合に着地するんだそうです。
 そんなケンケンのシッポみたいなことがあるのかいなと想いましたが、番組で実験してみたところほんとのことだったと判明したそうです。残念ながらこの本には実験の画像などは載っておりませんでした。ちなみに番組スタッフは何かの本を読んでこのことを識ったのだそうです。

 すこぶる興味を惹かれましたのでウェブ上で探してみましたが見つけられませんでした。
 あたくしは自身の情報の検索能力には矢鱈と過大なる自信を抱いておりまして、あるものなら必ず見つけられると想っているのですが、これは難しいな。どういうやり方をすれば、その情報がないと断言できるくらいの検索がこの件に関してできるのか。「ネズミ シッポ 回す」くらいではこぼれ落ちるものが多すぎる。「ネズミ 一行知識」や「ネズミ シッポ 豆知識」が最良だとも考えたが片面だけ攻めてるような気もする。
 なんせNHK夕方の当時のヤングのゴールデンタイムの少年ドラマなんかと並ぶ番組『レンズはさぐる』とジュニア・チャンピオン・コースのこんなおもしろい情報を誰も採り上げてないのは腑に落ちんから落ち着かん。
 うまい方法、あるいはこの件そのものについて情報のお持ちの方はご教示ください。ネズミについて学術的に網羅的に記述したページがひとつもないらしいことは判りましたが。
 いまBSで『ガンバの冒険』を再放送しておりまして、ネズミのシッポにこだわったこの作品にもこんな場面はなかったような気がするけど、こんなおもしろいことが世間には識られてないということでしょうか。ネコのにゃんぱらり受け身よりは遥かに重大なる事実で、共有すべき知識であるはずと想うのですが。われわれ人類は持っているシッポをもっとぐるぐる廻さんといかんのではないのでしょうか。

 『レンズはさぐる』はこの手のちょっと変わった実験をいろいろする科学番組で一見するとずいぶんおもしろそうで、見てみるとあんまりおもしろくなかったような記憶があります。もっとも、こんな地味な番組に興味を掻き立てられる方こそが科学者としての資質があって、役に立たない奇想的なことばかり喜ぶあたしみたいなのは世間の役に立たない人間になるということでしょうが。
 地味な実験の写真ばかりがいっぱい載っていて一番おもしろい話の画像がないこの本は、『レンズはさぐる』の特性を顕しているようです。もっとも、ジュニア・チャンピオン・コースはあんがいこういうのが多いのですが。
 前番組の『四つの目』ともどもタイトルが示すように、スローモーションだとか拡大だとか透視だとかの映像を使ったテレビならではの科学プログラムというのが売りの番組でありましたが、すでにテレビがあたりまえになった70年代になんでこんなことをやってるんだろうと当時のあたしは疑問に想っておりました。
 ハイビジョンのようにどうでもいい機材に大金ぶっ込んだために引くに引けなくなっただけやも知れませんが、テレビがちょうどいまの電脳や電網と同じような時期だったわけです。いまもシッポの廻しどきということですが、さてどう廻しますか。





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