絶望書店日記

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絶望書店主人推薦本
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』

冤罪、殺人、戦争、テロ、大恐慌。
すべての悲劇の原因は、人間の正しい心だった!
我が身を捨て、無実の少年を死刑から救おうとした刑事。
彼の遺した一冊の書から、人間の本質へ迫る迷宮に迷い込む!
執筆八年!『戦前の少年犯罪』著者が挑む、21世紀の道徳感情論!
戦時に起こった史上最悪の少年犯罪<浜松九人連続殺人事件>。
解決した名刑事が戦後に犯す<二俣事件>など冤罪の数々。
事件に挑戦する日本初のプロファイラー。
内務省と司法省の暗躍がいま初めて暴かれる!
世界のすべてと人の心、さらには昭和史の裏面をも抉るミステリ・ノンフィクション!

※宮崎哲弥氏が本書について熱く語っています。こちらでお聴きください。



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2000/10/15  本と卷物と日記と

 あたくしこと絶望書店主人は、ウェブページがデジタルではなくアナログであり、理性ではなく情動に働きかけるものであり、本ではなく巻物であることを、当然識っている。だからこそきちんと切り分けられた論理的な文章などではなく、争点が何か判らなくなるほどただ延々と紛糾し続ける掲示板やら、内容もなく区切りもなく饒舌だけが永遠に繰り広げられる日記がもっとも人を惹きつけるページであることを識っている。あたし自身もこの手のページしか読まない。
 こんなことは世の中の常識だと想っていたのだが、自分のサイトでは取り上げた本を人をしてうかうかと読みたい気にさせるなかなかいい塩梅の書評を書いている諸氏が、bk1などでは書物的で硬い、つまり誰にも訴えかけることのなき無意味な文章を載せていたりして、どうもあんまり判っていない方が多いようだ。
 もっとも、bk1はコラムをページで分割していたりして、まったくウェブを理解しておらず、あそこでいい文章を書いたとしても無意味であることには代わりがないのだが。ウェブの特性も本の特性も判っていない者がウェブで本を売るとは悪い冗談としか想えぬ。
 こういう諸氏はいま一度マクルーハンをきちんと読み返すように。仮にもウェブ上に巣くっておりながら、パーソナルコンピューターさえ識らなかった時代の親爺に負けてるようではあまりに情けない。
 もっとも、いま読まれているような本はすべて巻物調で、なかなかに話はややこしいのではあるが。

 さて、そのマクルーハンよりも豊かな智識と洞察力を備えたこの絶望書店主人は、ウェブ上でも書物的な展開がありうるのではないかと研鑚を重ね、概ね成功してきたのではないかと愚考しておる。
 何が書物的で、どのあたりが成功しているのかは表紙や黒薔薇の文章を判るまで幾度でも読み返せばよろしかろうが、そんな絶望書店主人がいままであえて避けてきた日記という代物をここに展開することとあいなったわけではある。
 そが如何なる針路を指しているかは、諸氏がその眼で見極めよ!!遥かなる地平を!!

 さても、マクルーハンよ。あんたは恐ろしいほど大した親爺だよ。あんたを甘く観る奴は本物の阿呆だな。